前回の古文の対策でステップ1~3までをご紹介しました。
記事を読んでいない方はこちらからどうぞ
今回は実際に入試レベルの古文の問題演習の参考書と和歌や古文常識など、
難関大学を目指すのであれば重要な知識分野のおすすめ参考書をご紹介します。
古文の基本の勉強の仕方
- 単語暗記
- 文法理解&暗記
- 読解法の理解
- 実践&和歌&古文常識
以上の4つのステップにわかれています。以下で簡単に4つのステップの説明をしていきます。
1,単語暗記
必要期間:2~3ヶ月
目標:古文に必要な単語を覚える
古文の勉強の際にまず大事なのが単語の暗記です。
必修の単語300~400語程度を早めに覚えて、文法学習に進みましょう。
時間があるのであれば文法と平行してやっていったほうが効率は良いでしょう。
2,文法理解&暗記
必要期間:1~2ヶ月
目標:文法の理解と反復学習
古文に必要な文法を暗記していきます。
助動詞の判別や尊敬語、まで確実にできるようにしていきましょう。
3,読解法の理解
必要期間:1~2ヶ月
目標:文法を読解する際に使用していく
古文のできない人はこれができてないですね。
読解の時の頭の使い方と品詞分解の時の頭の使い方が全く同じ状態で読んでいます。
品詞分解は100%できるようになっていなければいけないのですが、読解をする際には文法を考える必要はありません。
主語と目的語をとってストーリーを理解することに重点を置いてください。
4,実践&和歌&古文常識
必要期間:1〜1.5ヶ月
目標:入試レベルの文章を読んでいく&知識事項の網羅
入試レベルの文章を読んで、ステップ3で学んだ読解法が実際に使用できるかどうかを学んでいきます。
読めるかどうかよりも、読めて問題が解けるかどうかに注意してください。
また和歌や古文常識など古文の問題で問われる基本的な項目を網羅しておいてください。
古文が圧倒的に得意になる厳選参考書
4,実践&和歌&古文常識
長文演習用参考書
ここでは前回ステップ3でご紹介した読解法を長文で使用して、問題まで確実に解けるようにしていくのが今回のレベルのポイントです。
読解の際に、前回習った古文の読解法が使えるようになっているのか?を確認していきましょう。
古文は読解の際に例外の事項が多いので、どういう時につかえなくなるのか参考書の内容をそのまま覚えるだけではなくて実際の長文問題を解いた時に気づいたことをまとめていきましょう。
古文ができない人はいつまでも単語だけで文法でいい加減に勉強しているだけです。
必ず読解法で習ったことを使えるようにしていきましょう。
マーク式基礎問題集 古文 ・ センターマーク標準問題集
【対象者】演習入門・センター試験のみの古文使用
【達成レベル】偏差値55~60
【おすすめ度】★★★
センター試験の古文は基礎ができている人にとってはなんてことはないレベルなのですが・・・
単語だけで読んでいる人では途中で言っている意味、ストーリーがわからなくなってしまうのです。
この参考書のレベルをクリアすれば中堅〜MARCHレベルの古文は問題なく読み解くことができます。
極める古文シリーズ 1 2 3 4
【対象者】演習初心者〜難関志望者まで
【達成レベル】偏差値55~65
【問題数】各8題
【おすすめ度】★★
音声講義での解説がどれもついています。
以下がそれぞれの本のレベルです。
1:基礎必修編
2:センター試験編
3:上位大突破編
4:難関大突破編
問題数が類書に比べると少なく、敢えてこの参考書で学ばなければいけないこともありません。
個人的にはゴロで覚えるという手法が好きではないのであまりオススメできません。
古文上達 読解と演習 56
【対象者】古文の品詞分解は確実にできて、古文を得意だと自負している人
【達成レベル】偏差値55~65
【問題数】基礎編30題(短め)+実戦問題26題
【おすすめ度】★★★★
古文解釈基礎編からの接続に最適です。
基礎編は文法を文章の中で確実に覚えていく、また品詞分解が確実にできるようになることが主眼でした。
まさしく、基礎養成でした。今回の上達はその上級編という形です。
問題のレベルは、難関大学合格レベル( 早慶以上)まで対応できます。
本参考書で採用されている文章はレベルが高いので、自分の志望大学の古文のレベルと相談して使いましょう。
参考書の構成は入門編、基礎編、演習編の3部構成となっています。
入門編では、古文上達へ向かう心得、入試古文の出題についての基礎的情報、古文の周辺知識の他、文法と単語の基礎的事項を掲載しています。
基礎編は入試問題の解題による例文解説形式、演習編は入試問題の掲載。
首都圏「難関」私大古文演習
【対象者】MARCH以上の私大を受験する人
【達成レベル】偏差値60~65
【問題数】20題
【おすすめ度】★★★★
MARCH、学習院、上智、早稲田の過去問から入試問題を20題選んで掲載しています。
解説編には、問題本文と本文解釈を上下に併記してあり、古文が苦手な学習者にはどのような文章の文章構造になっているのかが一目でわかるので助かります。
(本文解説)には、本文解釈を読んだだけではわからないことを理解できるように、背景知識の解説をしてくださっています。
問題ごとに本番で何分使えるか、何点以上で合格ラインかなどが示してあるため、難関私大を目指している人で古文が苦手な学生にとっては良書となります。
中堅私大古文演習
【対象者】古文が得意と感じている初学者、読解法を確実に使いこなせる自信がある人
【達成レベル】偏差値55~65
【問題数】24題
【おすすめ度】★★★★
中堅私大古文演習とありますが、実際にはそれ以上の問題も含まれています。
MARCHレベルの中でも難し目の長文が含まれているので、初学でいきなりこの参考書を始めた人は難しさを感じるでしょう。
私大用の参考書は一般的に簡潔な説明の参考書が多くなっています。
ですが、この問題集は問題の本文の解釈にはじまり、どのようにして解答に至るかのプロセス、関連項目・文法事項など事細かに説明されています。
また、解説には敬語やその他の重要古語が一目でわかる本文解釈や、出典の解説、古文常識についてなども載っています。
得点奪取 古文
【対象者】私大で記述問題が出題される大学の対策や中堅国立大学の対策に!
【達成レベル】偏差値55~65
【問題数】例題3+練習問題12題
【おすすめ度】★★★
文章の難易度自体はセンターよりやや高い程度でMARCHと同じ程度です。
記述問題の点数化が類書よりも圧倒的に詳しく説明されているので、古文の記述対策を何をしたら良いのかがわからない人は本書を手にとってみると良いだろう。
一冊問題集を完成させて、その後にこの参考書で自力で記述を完成させて何が今の自分に足りないのかを突き合わせて考えていきましょう。
土屋の古文100
【対象者】センター古文は読める、MARCHレベルの古文を完璧にしたい
【達成レベル】偏差値55~60
【問題数】100題
【おすすめ度】★★★★
これまでに紹介した問題集とは違い、100文が掲載されていてその文章に対して文法的説明がなされています。
問題が付属されていないので、問題集としては使えませんが古文の読解量を増やしたい時に有効です。
おすすめの使い方としては、コピーをとって全部自分で一度品詞分解をして見ることです。
文章のレベルはセンターやMARCHレベルと高くありません。
難関大学を目指すのであればこのレベルの文章は確実に読めるようになっておきたいです。
読み解き古文単語
【対象者】早稲田レベルの文章をたくさん読んでいきたい、古文の読解法は他書で確実に身につけている
【達成レベル】偏差値60~65
【問題数】54文
【おすすめ度】★★★★★
上記で紹介した土屋の古文100の難関大学版だと考えてもらって大丈夫です。
単語を覚えると同時に難関大学の入試レベルの文章に目を通して、主語と客体を確実に取れるようになるのがこの参考書の役割です。
古文の読解法は他書で身につけていて、量を増やしていくことで読解法を使いこなすことが本書の目的です。
この参考書自体で読解力を身につけるわけではないことに注意してください。
1つのテーマごとに文章が1文と次のページに単語の一覧が掲載されています。
↓中身はこんな感じです。 クリックしたら拡大します。
古文解釈の実践 (日記・随筆編)(説話・物語篇)
【対象者】早稲田大学以上の古文難関を志望する人で苦手分野の対策をしたい人
【達成レベル】偏差値55~65
【おすすめ度】★★★
早稲田大学以上を志望で古文の読み込みを行いたい人向けです。
上記の「土屋の古文100」「読み解き古文」と同様の使い道でよいでしょう。
ただこちらの参考書は問題もついています。
「主体が何なのか?」「具体的にこの部分は何を言ってるのか?」など古文を確実に読めているかどうかの確認をすることができます。
古文解釈の方法やはじめの一歩で関谷先生の古文を勉強していて、関谷古文に慣れている人は良いですね。
古文 入試精選問題集
【対象者】早稲田大学以上の難関大学を志望する人
【達成レベル】偏差値60~70
【問題数】22題(私立16題・国公立6題)
【おすすめ度】★★★★★
早稲田大学以上の古文が出題される学部を志望する人が過去問の前に演習を積むための参考書です。
マークシート形式のもの(私大用)と記述形式(国立用)と2パターンの問題形式がありますが、どちらかというと私立大学用の参考書となっています。
記述問題の採点の仕方も得点奪取のように細かく記述されているため記述解答の参考になります。
巻頭にある「設問攻略の視点」は必見です。
漆原慎太郎の 古文・記述問題が面白いほどとけるスペシャルレクチャー
【対象者】記述問題の対策をしたい人でかつ古文が得意な学生
【達成レベル】偏差値65~70
【おすすめ度】★★★★
記述用の参考書「得点奪取」では物足りない人はこちらの参考書で演習を積んでいきましょう。
ただし最低でも偏差値が60はあるような基礎力のない受験生がこの参考書をやっても得られることはないでしょう。
基礎から始めるという参考書ではないですが、難関大学を目指す人であれば一度目を通してみてください。
最強の古文
【対象者】早稲田の文学部、法学部、政治経済学部を志望している受験生
【達成レベル】偏差値65~70
【問題数】50題
【おすすめ度】★★★
早稲田の文学部、法学部、政治経済学部を志望している受験生のような古文の難しい学部の志望者以外は解く必要はありません。
該当学部の志望者であっても、英語、歴史科目で点数がある程度点数が取れる学生が読む参考書です。
解説も同シリーズに比べると簡潔になっているので、普段から古文に対して苦手意識を持ってない人でないと最後まで通すのは難しいです。
文学史などの知識型問題や選択問題など私大のタイプが多いです。
ですから、早稲田大学レベルでかつ古文の難しい学部(文学部、法学部、政治経済)を受験する学生以外は必要ありません。
古文解釈の完成 中上級問題集
【対象者】古文で勝負をしたい受験生
【達成レベル】偏差値70~
【問題数】30題
【おすすめ度】★★★
市販されている参考書で一番難しい参考書でしょう。個人的にはこのレベルまでやってもらいたいですが・・・
多くの古文学習者にとってはここまで勉強している時間はないでしょう。
また一人で学習していても使いこなすためには、古文の偏差値が70以上はないと難しいです。
中身は更級日記、源氏物語などの宮廷ものの中で主体を理解するのが難しい場面や作品自体の知識が予めないと難しい場面を抽出しています。
和歌暗記編
和歌はたったの31文字で登場人物の感情を表しています。
この31文字の意味を「ただ枕詞は・・・、縁語は・・・、序詞は・・・、はい全部覚えてね♡」
おそらく多くの学生がこんな風に勉強してきたのではないかと思います。100%これでは和歌の意味を取ることはできません。
和歌は難関大学では頻出なので、上記で挙げたものが不安な場合は確実に確認しておきましょう。
初学者用に販売されているのは以下の2つとなっています。
これまで紹介した参考書でも「古文解釈の方法」「山村図解古文の実況中継」にも掲載されています。
吉野のパワーアップ古文 和歌の修辞法編
【対象者】これまで和歌の対策を全くしてこなかった人
【達成レベル】偏差値60~65
【おすすめ度】★★★★
これまで和歌の勉強をしてこなかった人でもこの一冊でセンター〜難関大学の和歌対策ができます。
掛詞・序詞・枕詞・縁語、さらに見立て・物名歌・折句・沓冠・歌枕・本歌取り・体言止めなど、和歌の修辞法まで全てを解説しています。
掲載されているのは実際の入試問題(私立・国立)で概念理解から、和歌の問われ方まで理解できます。
ページ数は多いですが、文字数は少なく空白も多くかつ会話体なのですぐに読み通すことができます。
マドンナ古文 和歌の修辞法
【対象者】これまで和歌の対策を全くしてこなかった人で入試に出題される人
【達成レベル】偏差値60~65
【おすすめ度】★★★
上記の吉野先生と同じ目的ですね。和歌に絞って対策ができるので効率的に勉強ができます。
実際に書店でみてわかりやすく感じた方を購入するとよいでしょう。
個人的には吉野先生の方がレイアウトが良いので、オススメです。
古文常識編
古文常識は古文を読む上で、現代の価値観と過去の価値観を合わせるためのものでかなり大事なものなのですが・・
マドンナ古文常識くらいしか参考書がないのが現状です。
この参考書だけで常識は完璧!という感じではなく、文章を読みながら自分で気づいたことをまとめていくというのも並行で進めるとよいでしょう。
マドンナ古文常識
【達成レベル】55~60
【おすすめ度】★★★
宮廷作品は常識がないと古文の中でも特にわかりづらいため、解説がされています。
全ページカラーでイメージがしやすいです。
難関大学を受験する学生はこのレベルは確実にクリアしておきましょう。
速読古文常識
【対象者】古文常識と合わせて読解もしていきたい人
【達成レベル】偏差値55~60
【おすすめ度】★★★
上記のマドンナ古文は単語に対してその訳という1対1での理解でしたが、速読古文常識は文章内でどのように常識が出てくるのかがよくわかります。
イメージのマドンナ、実践の速読古文常識という感じですね。
これまでの勉強の仕方にもよるので読解量が不足している場合は速読で、手早く古文常識のみを覚えたいのであればマドンナを使うとよいでしょう。
マンガで常識をつける!
【対象者】1度授業で勉強を行なっている受験生
【達成レベル】受験までまだ1年以上時間があって、古文にあまり興味がない人
【おすすめ度】★★★★
まだ受験までの時間に余裕のある人は以下のマンガシリーズで代表的な作品を通して、古文の世界の理解を深めていきましょう。
イメージを掴むにはやはりマンガが一番わかりやすく、早くできます。
吉野先生の1日で読める 古典シリーズ
ゴロゴ板野の眠れないほどおもしろいシリーズ
眠れないほどおもしろい百人一首: あの歌に“驚きのドラマ”あり!
あさきゆめみし