使用教材
田村のやさしく語る現代文
完成までの期間
2週間~1ヶ月
使用者想定レベル
現代文をこれまでセンスだと思って勉強していた学生
現代文の偏差値30~40の学生
具体的には・・・
▶日本語の文法をわからない、または勉強をしてこなかった学生
→助詞、助動詞、指示語、接続詞
▶現代文がどんな科目かわからない学生
→現代文はセンスではなくて論理です。
この参考書を完璧にしたらできるようになること
理論としては偏差値50~55レベルまで。
→MARCHの下位学部であればこの参考書一冊と知識部分+過去問で対応することができます。
ただ、書いてあることを実際に自分で使えるようになって使えるようになるには圧倒的に演習量が足りません。
使い方
初期段階
この参考書は、「第一部 現代文の基礎を身につけよう」と「第二部 入試現代文に挑戦しよう!」の2つに分かれています。
初期段階では第一部を確実に理解していきましょう。
見出し(例:☆現代文はどうすればできるだろうか)+まとめ部分(例:現代文では、<科目の性質>を知ることができるようになる)を先に読んで文章で何を言いたいのかを把握してから文章本文を読んでいってください。
第一部に出てくる問題は正答だけの根拠だけでなく、他の選択肢もなぜ違うのか?を考えてから本文を読んでください。
現代文ができないのは日本語ができなきゃいけないの?
実はそうなんです。
私たちは普段日本語を使って考えたり、文章を読んだりしています。
ですが、日本語の文章を文法的側面から構文解釈して、
「この部分は主語は〜で、目的語は〜でこのような文構造だ!」と読んでいることは基本的にはしていません。
日本語はその言語の性質上、英語よりも目的語や主語が不明確になっているため、意識的に見ていかないと実は読み違えているなんてこともあるのです。
普通の日本語であっても読み違えていることがあるのにましてや早稲田大学の入試は10倍近くの学生を落とすための試験です。
ありとあらゆるところに受験生を落とすための罠が張り巡らされています。
試しに1つ実際に早稲田大学に出題された問題の選択肢を見てみてください。
イ、著者が善意と純情を嫌うのは、善意と純情の奥底にはつねに、相手をおとしめようとする善意と狡知が潜んでいるからです。(56字)
ロ、何が悪であり何が偽善的な行為であるかは社会的な道徳や価値観を時代とともに変遷するので、一概に判断することはできない。(58字)
ハ、十代二十代の若い時代には、だれしも善意や純情の価値をうたがわないが、年齢を重ねていくほどに俗世間の悪や偽善をも許容するようになる(64字)
二、聡明な悪人の行為は社会的なルールを踏み外すことがないので、誰も迷惑を蒙ることもなく、全く罪に問われることもない(55字)
ホ、友情が長続きするためには、相手への信頼が必要不可欠であるというのは誤りで、実はお互いを軽蔑しあうところから真の人間関係をが生まれてくる(67字)
ト、ただ善意や純情を押しつけあうところには、信頼できる人間関係は生まれずかえって思いがけない災難や迷惑を蒙るの原因にもなる(59字)
文字数を選択肢最後に明記しておきました。どれも60字近辺ですね。
一般的に一文の文字数が20字を超えると読みつらいと言われています。
しかも他の大学では選択肢の数は4択がほとんどなのに早稲田大学は6つも選択肢があります。
一つ一つ吟味していくのはもちろん大事なことなのですが、これだけ選択肢の数が多く、文字数も多いとなると当然読み違えることも発生してくると思います。
ですから、選択肢を英語のように日本語を品詞分解できる力が重要なのです。
試しに先ほどの選択肢を分解してみると以下のようになります。
イ、著者が/善意と/純情を/嫌う/のは、/善意と/純情の/奥底に/は/つねに、/相手を/おとしめよう/とする/善意/と狡知が/潜んでいる/からです。/(56字)
ロ、/何が/悪であり/何が/偽善的な/行為で/あるかは/社会的な/道徳や/価値観が/時代と/ともに/変遷する/ので、/一概に/判断する/ことは/できない。(58字)
ハ、十代二十代/の若い時代には、/だれしも/善意や/純情の/価値を/うたがわない/が、/年齢を/重ねていく/ほどに/俗世間の/悪や/偽善を/も/許容する/ように/なる/(64字)
二、聡明な/悪人の/行為は/社会的な/ルールを/踏み外す/ことが/ない/ので、/誰も/迷惑を/蒙ること/も/なく、/全く/罪に/問われる/こと/も/ない(55字)
ホ、友情が/長続き/する/ため/には、/相手への/信頼が/必要不可欠/である/というのは/誤りで、/実は/お互いを/軽蔑しあう/ところ/から/真の/人間関係が/生まれてくる/(67字)
ト、ただ/善意や/純情を/押しつけあう/ところには/、信頼できる/人間関係は/生まれず/かえって/思いがけない/災難や/迷惑を/蒙る/原因に/も/なる(59字)
赤い印をつけた部分は選択肢を読み取るのに重要な部分です。
なぜ大事なのかは自分で考えてみてください。早稲田だ大学に圧勝で合格する学生は当然見抜けます。
上記の品詞分解は少々やりすぎですが、早稲田大学の選択肢を読み違えないためにも選択肢を品詞分解してください。
文章が読めているのに選択肢で間違えてしまうのは非常にもったいないです・・
もちろん、文章内でも品詞分解は必要なケースがあるので、適宜行なってみてください。
第二部の使い方
第二部は長文問題が登場します。
出典作品一覧
- 「丘の上の煙」 竹岡寛子
- 「東京の空間人類学」陣内秀信
- 「港の文化史的意味」会田雄次
- 「雪の上の蟹」吉井由吉
- 「加藤楸邨氏をいたたむ」大岡信
使い方の手順
- 問題文をコピーする
- 問題文を読む
- 問題文を読み進めるうちにわからない部分が印をつけておく
- 最後まで読み切ったら、わからなかった点をなぜわからないのかを考える。
*考える視点
論理レベルでわからないのか?
知識レベルでわからないのか?をはっきりさせる
→論理レベルでわからない場合を赤ペン、知識レベルを青ペンと色を分けてみるとわかりやすくてよいです。 - わからない点を判明させたら、問題文を要約していく
- 問題を解いていく
- 正しい解答の根拠は全て文章内から取っていく。
→余裕があったら間違っている選択肢の根拠も取れると良い - 全て解き終わって全ての解答に自信があるときのみ、解答を読む
→勘で当てても再現性がないため実力は一切つきません。 - 解答を読んで自分の読み、答えのどこが間違っていたのかを確認する
- 確認を終えたら、再度要約する
- 要約を終えたら白文を音読する
以上が第2部の使い方です。
解答を読む前と読んだ後で2回要約を行なうことが肝心です。
現代文は中途半端に勉強すると全然成績が伸びない科目なので時間の無駄になります。
勉強するからには徹底的に勉強しましょう!
*第4,第5講部分はやや難しい割には解説があまり詳しくないので、一度読んで全然読めない場合は次の参考書に進んでもらっても構いません。
田村のやさしく語る現代文と同レベルの参考書でもう一冊行いたい場合
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